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■今週の市場展望

著者:青柳孝直

7/10号

『特集:風は強烈に吹いた。だが、本番はこれから』
  1. 7月2日(日)。東京都議選の投票日。正直言えば、都議選に投票に行ったのは初めてだった。少々傲慢な言い方をすれば、大東京に蔓延る地元の(顔役&利権型)オッサンが中心の都議会選挙など、全く興味が持てなかった。候補者の主義・主張を聞く意志もなく、ただ漠然と投票に行くのも、かえって無礼かなと思ったりしていた。
  2. 今回の都議選、投票に行くには行った。が、候補者の名前すら知らず、最初から都民ファーストの候補に入れとくか、といった、誠に無責任なやり方だった。安倍VS小池の対決が色濃い中で、街頭演説や立ち合い演説を聞く意志も機会もなく、投票所で名前を確認するといった誠にイージーなスタンス。中央区の当選者(女性)は、旦那が西郷隆盛の直系であるなど、当選してから知るという、まるで喜劇か落語の世界。
  3. で当日は、毎週楽しみにしていたNHK大河が今年は大不作で全く観る意志なく、ナイター等のスポーツ関連番組もなく、しゃ~ないので、フジ系列が他局に先駆けて6時あたりから始めた「都議選特番」を見るともなく、流しておいた。将棋天才少年の30連勝をかけた一番との二元放送だった。何もかにも、とりあえず、って感じだった。
  4. 8時の投票締め切りと同時に、都民ファースト圧勝、自民惨敗が明確になった。都民ファーストの候補一覧に当確の緑の花印が連発で並んでいったが、方や自民は1時間経っても「ゼロ」のまま。まさに見事な、まるで劇画のような流れだった。
  5. 注目していたのは、都自民党のドンの千代田区の傀儡候補、小池都知事の初登庁の日、握手を拒み、写真撮影を拒んだ都議会議長、「ブラックボックスはお前だ」とのたまった都自民党幹事長の動向だった。三者とも、ものの見事に落選。
  6. 特番で特に強烈でインパクトがあったのは、7月1日の選挙運動最終日、聖地・秋葉原での安倍首相の応援演説のシーン。あろうことか「帰れコール」の大合唱となった。そのシーンが映し出される度に鳥肌が立った。本欄でも再三「安倍1強体制」に対する危惧を論述してきたが、「壊れる」「風が吹く」とはいかに強烈なのかが肌身にしみた。
  7. 敗因は巷間で言われる通り「THIS+A」=「SHIT(くそったれ)+A」だろう。今更固有名詞を上げるまでもないが、T=豊田、H=羽生田、I=稲田、S=下村、A=安倍。H、S、Aはともかくとして、豊田真由子衆院議員の大絶叫・暴行騒ぎの異常性は打つ手なし。稲田朋美防衛大臣は、誰が見ても「任にあらず」のレッドカード。 
  8. 確かに烈風が吹き、小池百合子都知事は「首都決戦」を制した。だが、これからが大変だろう。今回の都知事選でも、安倍首相が大勝した「政権再交代選挙」で初当選を果たした通称・安倍チルドレン、別名「自民党・魔の2回生」が自民党をガタガタにした。一方の旗頭に上り詰めた小池さん、今後、問題を抱えた・ど素人集団をどのように教育されるのか。世には「盛者必衰の理」あり。政界は変わらず「一寸先は闇」である。
青柳 孝直
(あおやぎ・たかなお)
【略歴】
国際金融アナリスト
1948年 富山県生まれ。
1971年 早稲田大学卒業。
世界の金融最前線で活躍。日本におけるギャン理論研究の第一人者との定評を得ている。
著書は、『新版 ギャン理論』『日本国倒産』など多数。翻訳書としては、『世界一わかりやすいプロのように投資する講座』など。

連絡先:
株式会社 青柳孝直事務所
〒107-0052
東京都港区赤坂2-10-7-603
TEL:03-5573-4858
FAX:03-5573-4857


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