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■今週の市場展望

著者:青柳孝直

5/01号

『特集:ロボットに人間が追随(!?)せざるを得ない時代』
  1. 桜散り、青葉・若葉の季節の到来と共に、男女を問わず、街中には紺のスーツ+白いシャツ姿が目立つ。入社試験シーズンの到来、というより最っ盛り。そしてマスコミでは、学生人気ランキングなどといった、百年一日の興味半分(!?)の報道を繰り広げる。
  2. 相も変わらず商社、航空会社、大手金融、マスコミ関連等の名が連なる。転職が当たり前の時代。ひとつの会社に骨を埋めるという考えもないようだが、高名の企業から多くの内定をもらうのが若者の勲章。10年後はどうなるかは全く考えてはいないようだ。
  3. 本欄で繰り返して申し上げてきたが、まず考えなければならないのは、文系理系の区分けが無意味になり、理系有利の時代になっているという点である。ここから先は人工知能(AI)を使ったロボットが主役になり、理系思考が優先される時代だからである。
  4. 米マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によれば、820種の職業に含まれる2069業務の710(34%)の業務がロボットに置き換え可能という。19世紀の産業革命に始まる製造業の歴史は自動化への挑戦だった。従って、モノ作りに関しては既に7割超がロボットに任しても大丈夫な時代になった。
  5. ホワイトカラーや事務職系の職場にも自動化の波は押し寄せる。顧客の注文の文書化やデータ抽出や数値計算に関し、人間はロボットに勝てない時代になっている。特筆すべきは法律関係で膨大な資料から証拠を見つけ出す作業にAIを使おうとする動きである。
  6. ホワイトカラーの象徴とも言える金融でも自動化が進んでいる。事務職では65%がロボットにとって代わられ、相場売買の自動化システムによって、100人単位で存在した専門トレーダーが、いまや各社数人という場合も少なくない。
  7. 自分はここ25年超、ギャン理論のサイクル理論を研究してきた。相場の変化するタイミングを類推するのがサイクル理論の根幹だが、ここ3年のうちに、主要通貨、株式指標、主要商品の日足(日毎の動き)が全て“10日サイクル”になった。従来の相場の世界ではあり得ないことだが、これは自動売買システム、すなわちコンピュータのなせる仕業なのだ。週足や月足にはバラつきがあるが、これも時間の問題と思われる。
  8. 同上マッキンゼーの試算では、自動化が可能な業務の割合は日本が55%で、米国の46%欧州の47%も上回る。農業や製造業など、人手に頼る職業の比重が大きい中国(51%)やインド(52%)をもさえ上回る結果となった。
  9. 一部の職場ではすでに雇用が失われ始めるなど、ロボット化には負の側面も確かにあり、「ロボット税」を取ろうとする議論も出始めている。笑い話ではなく、「大量の失業に備え、新しい税制を考える時期」には違いない。
    昨今、宅配クライシスが問題になってはいるが、宅配分野のトラブルは「AI時代前夜」の単なる一過性の一コマだろう。世の中は大きな時代の激流の中にいる。
青柳 孝直
(あおやぎ・たかなお)
【略歴】
国際金融アナリスト
1948年 富山県生まれ。
1971年 早稲田大学卒業。
世界の金融最前線で活躍。日本におけるギャン理論研究の第一人者との定評を得ている。
著書は、『新版 ギャン理論』『日本国倒産』など多数。翻訳書としては、『世界一わかりやすいプロのように投資する講座』など。

連絡先:
株式会社 青柳孝直事務所
〒107-0052
東京都港区赤坂2-10-7-603
TEL:03-5573-4858
FAX:03-5573-4857


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