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■今週の市場展望

著者:青柳孝直

4/23号

『特集:「中国・国防動員法」の恐怖』
  1. 自分が海外に行くようになって40年ばかり経つ。最初に行ったのが金融センターNY。当時は直行便はなく、アラスカ・アンカレジで給油が通常のパターン。当時の航空機では喫煙可能で、必要以上の空調と共に今では考えられないほど機内の空気は淀んでいた。
  2. アンカレジでは機外にいったん外に出された。が、外の冷気が殊の外心地よく、気分転換にはなった。そして必ず30㌦也の「ソバ+いなり寿司2個」のセットを食した。立ち食い形式30㌦=約3500円はちと高価。だが、今でもその味&値段が忘れられない。
  3. 80年代を通して使用したのが鶴丸マークの日本航空=JALだった。当時、全日空=ANAは新興であり問題外。親方日の丸の日本航空は、後になってエコノミー症候群が問題になるが、機内は日本からの乗客でいつも満杯だったように思う。
  4. そんな時代に、中国系や韓国系の航空会社を利用するのは、よほど金欠と思われていた。「遅延は当たり前」「機内食が極端にまずい」「日本語不可」「事故多い」「事故が起きても補償金が格安」などで、「日本人なら鶴丸だろ」と、完全に差別化していた。
  5. ザックリだが、これが「自分の航空機事情」。だが、 そんな中国の航空各社が、世界の様々なランキングにおいて驚異的なスピ-ドで駆け上がっている。中国で航空会社を利用する旅客数は2007年の1億8400万人から17年には3倍の約5億5千万人。
  6. 人口が15億と言われているから10億人突破も時間の問題。ここ数年のうちに米国を抜き世界最大の利用国となる。この状況の中で、格安航空券は、これまでのように中東・ドバイ経由でなく広州・上海・武漢経由になりそうな気配である。中国当局は、乗り継ぎ客獲得に向け、ピザ要件を緩和するなど、積極的に動いている。
  7. こうした航空事情の中で、最近の東京銀座における中国人の増加はもはや異常。銀座のど真ん中を、ガラガラ族が団体で闊歩される。銀座は中国の庭か??2020年の東京五輪に向け、中国人団体は以前にも増して東京に向かうのは必至。「中国人による東京銀座占拠」もあながち否定できないのだ。背景に中国の深慮遠謀があるとしたら…
  8. 中国は今や世界唯一の共産主義国。中国国民は土地不動産は所有できない。従って中国外に不動産を持ちたがる。大々的に報道されてはいないが、北海道の土地を中国資本が買い占めを始めている。ここで出てくるのは中国の「国防動員法」という厄介な法律。端的に言えば、「緊急事態には政府が国民資産を勝手に処分できる」ことを定める。
  9. 最悪日本と中国が交戦状態に入った場合、日本にある中国資本の不動産が中国政府のものとなる。つまりは中国政府の日本基地になるという、考えるだに怖いストリーである。もりかけ問題がどうの、忖度がどうの、財務省の事務方トップがセクハラで辞職、挙句、新潟県知事が不倫したから辞めるのと、日本中がもうグチャグチャ。平和ボケもいい加減にしないと、気が付けば中国の属国(!?)か。正気に返りたいものである。.
青柳 孝直
(あおやぎ・たかなお)
【略歴】
国際金融アナリスト
1948年 富山県生まれ。
1971年 早稲田大学卒業。
世界の金融最前線で活躍。日本におけるギャン理論研究の第一人者との定評を得ている。
著書は、『新版 ギャン理論』『日本国倒産』など多数。翻訳書としては、『世界一わかりやすいプロのように投資する講座』など。

連絡先:
株式会社 青柳孝直事務所
〒107-0052
東京都港区赤坂2-10-7-603
TEL:03-5573-4858
FAX:03-5573-4857


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