李登輝・台湾前総統の貴重なインタビューを掲載

台湾新世代の女性エッセイストが語る、台湾と中国の問題。

台湾と中国両者の言い分を、それぞれの歴史観に照らし合わせながら分かりやすく解説し、台湾の独立性を主張する。

著者は、日本で歴史を勉強し直して見事\"中華思想\"から脱出した珍しい女性。

経済的に目覚しい発展を遂げる中国と、中国に対する態度を曖昧にしつづける母国・台湾に対して著者が抱く危機感を述べ、歴史の再認識と台湾人アイデンティティの確立の必要性を強く訴える。

また、日本で見つけた台湾と日本とのつながりに触れ、台湾への理解を呼びかける。

まえがき

第１章　台湾人と中国人

すれ違う、台湾と中国の歴史観

　中国・上海はまぶしいか

　中国的な歴史観には大いに疑問

　食い違う台湾と中国の主張

　台湾の近代史と中国の言い分

　日本人の\"台湾問題\"観

　中国人の独りよがりの歴史観

　中国人が贈る中国へのメッセージ

中国人の台湾人観

　『天狗』（月を食う犬）

　緑の上着、ピンクのズポンの\"台湾老板社長\"

　「皇民化」と台湾人

　「皇民化」された台湾女性をレイプしたい！

第２章　台湾人のアイデンティティ

目指せ！　台湾人アイデンティティの\"運命共同体\"

　あなたは何人ですか？

　台湾人アイデンティティの形成と分離

　日本語世代のいら立ち

　台湾総統府資政・姚嘉文氏インタビュー

　目指せ！　台湾人アイデンティティの\"運命共同体\"

　インタビューを終えて

愛すべき台湾の歴史

　\"二・二八事件\"と\"八・二三砲戦\"を間違える台湾人

　台湾意識ＶＳ．中国意識

　計り知れない教育の影響力

　\"大中華\"から\"台湾\"への道

言葉、個人、国家

　年配者からの教え――台湾語に文字はある

　台湾\"言葉のサラダボール\"の落とし穴

　それぞれの母語と台湾認同のかげり

日本語と北京語のあいだで

　日本語世代の言語体験（日本語から北京語へ）

　頭の中での\"脳訳\"

　私の言語体験（北京語から日本語へ）

　乗り越えた世代間の\"心の壁\"

台湾人アイデンティティと台湾文学

　「台湾文学を味わう」講座に参加して

　台湾文学の裏にある「台湾意識」と「中国意識」

　台湾文学とは何か？

　台湾人アイデンティティと台湾文学――鍾肇政氏インタビュー

第３章　台湾と日本の絆

日本精神と台湾精神

　\"日本精神\"というデリケートなテーマ

　日本で「日本精神」が注目されるわけ

　ただのノスタルジーではなく

　世代間にみる意識のギャップ

　リップンチェンシンと台湾精神

　歴史の共有という「縁」が生み出すもの

台湾人と靖国神社

　二〇〇一年八月一五日、靖国神社にて

　\"湾生\"の心の故郷、台湾

　知らざる湾生の\"台湾情\"

　湾生の多様で複雑な\"台湾情\"

　日本語世代と湾生の\"癒しの言葉\"

台湾と読者と私

　台湾本の読者層は？

　年配者のアイドル

　台湾からみえてくるもの

「ゴーマニスト・パーティー」と台湾人

　「ゴーマニスト・パーティー」に参加するにあたっての悩み

　台湾人女性の「靖国参拝」反対論と、私のゆかた姿

　台湾人女性の「靖国参拝」反対論の真意は？

　\"ゴーマニスト\"へのメッセージ

　私に与えられたもう一つの役割

日本人からみた二・二八事件

　「二・二八記念館」と日本人観光客

　日本人の複雑な歴史観

　もし二・二八事件がなかったら

　旧国民党時代と日本統治時代の違い

第４章　特別インタビュー　李登輝前総統

李登輝前総統の官邸を訪れて

　「珍しい台湾人」

李登輝前総統のさらなる挑戦

　台湾の若者に正しい歴史認識を

　本土化と郷土教育

　世代の断絶と親日感情

　韓国の反日は国内をまとめるための政策だ

　台湾精神はある！

　李登輝さんの挑戦は続く

インタビューを終えて

　李登輝さん来日の感動的な一瞬

　共に十字架を背負って

あとがき

謝 雅梅（シェ・ヤーメイ）

1965年、台湾・桃園生まれ。

1987年来日。拓殖大学大学院商学研究科修士課程修了後、出版社勤務を経て、現在産能短期大学講師、エッセイストとして活躍。

著書に『台湾人と日本人』、『日本に恋した台湾人』、『台湾論と日本論』、訳書に『大華僑伝・台湾の松下幸之助・王永慶』（すべて総合法令出版）がある。

謝雅梅さん入魂の力作です。

台湾と日本の関係を追いつづけてきた謝さんが、今回初めて、中国との問題に真正面から取り組みました。